卒業論文要旨

ドローン・モバイル端末間通信を用いた災害時救助支援

佐野 天晴 (2019年2月)

大規模な地震や台風などの自然災害時において、情報収集は大変重要なことである。特に救助活動を行う上では、事前に要救助者の位置や被害状況などの情報を速やかに把握することは大切なことだ。しかし、災害時は通信や交通のインフラが損壊している可能性もあり、要救助者が救助要請を送ったり、救助隊が地上から要救助者を発見することは困難である。

そこで近年では、災害時における情報収集としてドローンの利用に注目が集まっている。災害時におけるドローンの有用性として、カメラを搭載することで空中から被害状況を確認できることや、無人であるため安全に情報収集ができることなどが挙げられる。そのようなドローンの災害時での活用例の中で近年注目されているものとして、ドローン基地局と呼ばれるものがある。ドローン基地局とは、災害時にモバイル端末での通信が利用困難なエリアで、通信基地局の機能を搭載したドローンを展開することで、応急的な通信の復旧を実現させるというものである。これにより、ドローン基地局が展開している救済エリア内であればモバイル端末での通信が可能であるため、要救助者は救助要請を行うことが可能である。しかし、このドローン基地局は、安定的な通信エリアを提供するために展開した場所から動かすことができないため、救済エリア外におけるモバイル端末での救助要請は依然として不可能である。

そこで本研究では、ドローン基地局よりも広範囲のエリアの要救助者の情報を収集するため、ドローン自体が通信不可エリアを動き回り、被災者のモバイル端末から救助時に必要な情報(怪我の有無や位置情報など)を収集、そのデータを通信可能エリアまで送り届けるという救助支援モデルを提案した。